隠れ俺様は壁ドンで愛を囁く
…えーと、この体制、非常にマズいのでは……?

「…ねぇ、未来さん」

「なんで、すか…先輩…」

震える声で問いかけると、先輩の瞳がスッと細められた。

甘く、危険なその視線に、私は息をのんだ。

「…未来さんは、僕のことどう思ってるんですか?」

……はい?

こんな体制にも関わらず、そんなことを言う先輩に思わずため息をつきそうになった。

「それ、言ってどうするんですか?」

「いいから。ほら、教えてください」

聞く耳ないね。

意外と強引なんだなあ。この人。

…いや、そんな呑気なこと考えている場合じゃないな。

とりあえず、この意外と俺様だったこの人と壁の間から抜け出さないと…。
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