たった一つのたからもの
隣の部屋は、書室。

書室には本が大好きなママがよく使ってる部屋。
期待を大きく膨らませて中を探したけれど、ママはどこにもいなかった。


次の部屋は、服が沢山置いてあるけどそこにも誰もいなかったから、きっと下の階にいるのかも。


――音亞は期待を胸に、1階へと降りようとした時だった。

ガタンッ

何処からか何か倒れたような音が聞こえ、音亞が先ほど出てきた部屋の方を見ると真っ白な猫がいた。

音亞は驚き白猫を見る。
すると、白猫は音亞をすり抜け階段を駆け下りる。

「ま、待って……!」

音亞は白猫を追う為走りだす

「今、音亞は一人なの!一人にしないで!」

音亞が白猫を見失わない速さで、屋敷を駆けていく。

「……ハァ、ハァ……待って……」

絵画が飾られた廊下で、白猫はふと立ち止まりその絵画の下へと消えていくように音亞は見えた。

「……お化け?」

音亞は驚きながらもその絵画の側まで行くと、そこには下へ続く長い螺旋階段があった。
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