ヒミツの恋を君と。Sweet Secret【番外編】
「他あたって」





振り向いて見上げると、晴が階段の上に立ってる。



そのまま階段を下りてきた晴。

あたしの真後ろに立って、佐藤くんに言った。





「こいつはダメだよ。俺のだから」





踊り場に響く、低音の声に身体がドクンと波打つような感覚になる。



どうしよう!

『俺のだから』って言葉が嬉しすぎて、ニヤけてしまいそう。



口を一文字に結んで、必死に緩みそうになる顔を堪えてた。





「そうなんだ、彼氏いたんだね」



「うん」





よかった。


これで強引そうな彼でも諦めてくれるよね…。





「でも、俺諦めないから」



「えっ!?」



「その先輩に飽きたら俺に乗り換えればいいよ。じゃあね、桃佳ちゃん!」





予想外の返答に、頬が引きつる。





「いや、あの困……」





そんなあたしの言葉を聞く前に、彼は風のごとく去って行ってしまった。



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