その蜜は海のように
しかし、その思いは無惨に崩れた。

リィアの婚約者の領主推薦でより一層両親が警備に力を入れ、こんなとこには要らないだろと思うところにまで警備が敷かれていた。

「嗚呼!私にどうしろって言うのよ!大体何で会った事も無いおっさんに領主推薦してもらわないといけないのよ!」

部屋でリィアはクッションを投げつけていた。

「なによ!やればいんでしょ!此処まで来たらやってやるわよ!」

此処まで自分を家から出さないような事件が続くとさすがのリィアも気が滅入る。

だが、決めたら早いのもリィアの性格だ。


リィアは、部屋を出て、づかづかと廊下を歩き父の元へ向かった。

ばん!と扉を開けると、父や、その家臣達がリィアの今後について話合っていた。

新しく婚約者を探すだの、遺言に従うだの。

しかし、突如少女によっていきなり扉が開かれ皆静まりかえった。


「おお!リィア!いいところに。丁度皆お前の事を相談していたところだよ。」

どうせ、自分達でとっとと片付けようとしてたんだろうがと毒づいたが

「お父様!私は領主になります。」

今度はざわざわと辺りが色めきたった。

「これは自分で決めた事ですわ。」

父は、焦げたものを口に突っ込まれたみたいな顔をした。



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