その蜜は海のように
「それは本当かね?」

父はリィアに聞いた。

「ええ。」

ごくりと唾を飲む。

自分で決めた事だが何だかとんでもない事をしでかしたような気がした。



リィアはそう遠くない未来に改めてそれを実感する羽目になる。

「リィアがそう言うなら、仕方ない」

「ありがとうございます。」

なんとかこの場は乗り切れたわ。とリィアは思った。



それからリィアは、国に提出する書類を何枚も書かされ、気がついたら窓掛けから光が漏れていた。

やっとの思いで部屋に戻ったのは、昼食後だった。

「はあ、全く楽じゃないわ。」

リィアはものすごく今更ながら、昨日の自分と元婚約者を恨んだ。

「これからどうしろっていうのよ!」

そう言って怒ってみるが、襲ってきた睡魔には勝てそうにない。

どう頑張っても耐えられず、寝てしまった。

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