その蜜は海のように
父の自室の前でリィアは気合いを入れ扉を開けた。



「ああ、突然呼び出してすまない。とても大切な事だから、よく考えて欲しい。」



来た。今度は何だろうか。



「視察団とレィセリナへ視察に行って欲しいと国から要請があった。」

悪い冗談は止めて欲しい。

私は領主だ。

他国に行くなんてもってのほかだ。

「お父様。私は領主ですわ。領地を離れるなんて、それに何故そんな大事な役が私に回ってくるのですか?」


こんなたいして領地は大きいが田舎の領主が視察に駆り出されるなんて、一体どういう事だ?

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