その蜜は海のように
「前の領主が視察団と約束をしてたらしい。」

「は?」

リィアは、淑女としては落第点の答え方をしたが、気にも止めなかった。

呆れ果て、それ以外の言葉が出ない。

あの領主は、自分でした約束も自分で片付けられないのか?

いくら亡くなったと言え、リィアに遺書を残すくらいならそっちを何とかしてほしかった。


「行ってくれないか?リィア。これは国の要請した旅何だ。」

「分かりました。」


また断れなかった。

領主をすれば変われそうだったがそんなことは無かった。


まさか、自分の望んだ旅がこんなとこで叶うとは、リィアは色んな意味で夢にも思わなかった。


これからどうなるのだろうか。


本気で心配になった。


それと同時に分かった事もある。




他人を信じては駄目だ。



自分でこれからの道を拓かないと。


悩んでも答えは出ない。

決めたら止めない。



それがリィアの道だ。




リィアの視察が決まると、すぐに準備が始められた。

悔しいがリィアがこっそりと夜な夜なしていた準備とは比べ物にならないくらい良い品ばかり集められた。


途中で父に地図が図書館に見当たらないが知らんか?と聞かれたが知らないと答えてやった。

まあ、このくらいいいだろう。

今まで、さんざん言うことを聞いてきたのだから。


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