小咄
「いっ……てててぇ」
朝、真砂は思い切り顔をしかめて、目を開けた。
薄目を開けて周りを見ながら、首の後ろを揉む。
炬燵に入ったまま、妙な体勢で寝てしまったようだ。
痛む首を押さえながら身体を起こすと、かけてあった毛布が膝に落ちた。
後ろを振り向くと、ベッドで深成が寝ている。
そういえば、こいつの家に泊まったんだったな、と思い出し、真砂は首を回した。
「あっつぅ……」
固まった首筋は、首を回すたびに痺れるような痛みが走る。
ついでに酒もまだ残っているようだ。
ちゃんと寝られてもいないのだろう。
身体がだるい。
とりあえず固まった身体をほぐしていると、深成がごそりと動いた。
「あ、課長。大丈夫?」
ベッドの上から見下ろしてくる。
「あんまり大丈夫じゃない。……結局あのまま寝ちまったのか」
いててて、と言いながら首を回す真砂を、深成はじっと見た。
昨日の真砂の行動は、どう捉えたらいいのだろう。
酔っ払った、と自分では言っていたが、深成から見ると、そんな酔っていたようにも見えなかった。
確かにいつもの真砂とは違ったが……。
「課長。ご飯食べる?」
ごそごそとベッドから降りながら聞くと、真砂は少し考えて首を振った。
「あんまりすっきりしてないからいい。でも喉が渇いた。水くれ」
「そ、そっか。さすがにあの体勢だったら眠れないよね」
ててて、とキッチンに走り、深成は水を真砂に渡した。
それを一気に飲むと、真砂は、ふぅ、と息をつく。
「ね、わらわはおせち作るからさ、課長は寝てなよ。寝られてないでしょ? 身体の調子崩しちゃうよ」
「うん……」
立てた膝に額をつけて項垂れていた真砂が、だるそうに言う。
調子の悪い真砂を初めて見、ちょっと深成は新鮮に思った。
---何か、弱ってると一気に可愛くなるなぁ。『うん』だって。意外にくまさん毛布も似合いそうだけど---
そういえば、座ったまま寝るんだったら、それこそ着る毛布を着せてしまえば良かった、とぶつぶつ思い、深成は、よいしょ、とベッドの上からうさぎをのけた。
他にもわらわらいるが、とりあえず大きな子はこれだけだ。
朝、真砂は思い切り顔をしかめて、目を開けた。
薄目を開けて周りを見ながら、首の後ろを揉む。
炬燵に入ったまま、妙な体勢で寝てしまったようだ。
痛む首を押さえながら身体を起こすと、かけてあった毛布が膝に落ちた。
後ろを振り向くと、ベッドで深成が寝ている。
そういえば、こいつの家に泊まったんだったな、と思い出し、真砂は首を回した。
「あっつぅ……」
固まった首筋は、首を回すたびに痺れるような痛みが走る。
ついでに酒もまだ残っているようだ。
ちゃんと寝られてもいないのだろう。
身体がだるい。
とりあえず固まった身体をほぐしていると、深成がごそりと動いた。
「あ、課長。大丈夫?」
ベッドの上から見下ろしてくる。
「あんまり大丈夫じゃない。……結局あのまま寝ちまったのか」
いててて、と言いながら首を回す真砂を、深成はじっと見た。
昨日の真砂の行動は、どう捉えたらいいのだろう。
酔っ払った、と自分では言っていたが、深成から見ると、そんな酔っていたようにも見えなかった。
確かにいつもの真砂とは違ったが……。
「課長。ご飯食べる?」
ごそごそとベッドから降りながら聞くと、真砂は少し考えて首を振った。
「あんまりすっきりしてないからいい。でも喉が渇いた。水くれ」
「そ、そっか。さすがにあの体勢だったら眠れないよね」
ててて、とキッチンに走り、深成は水を真砂に渡した。
それを一気に飲むと、真砂は、ふぅ、と息をつく。
「ね、わらわはおせち作るからさ、課長は寝てなよ。寝られてないでしょ? 身体の調子崩しちゃうよ」
「うん……」
立てた膝に額をつけて項垂れていた真砂が、だるそうに言う。
調子の悪い真砂を初めて見、ちょっと深成は新鮮に思った。
---何か、弱ってると一気に可愛くなるなぁ。『うん』だって。意外にくまさん毛布も似合いそうだけど---
そういえば、座ったまま寝るんだったら、それこそ着る毛布を着せてしまえば良かった、とぶつぶつ思い、深成は、よいしょ、とベッドの上からうさぎをのけた。
他にもわらわらいるが、とりあえず大きな子はこれだけだ。