✧*。〈BL〉先輩、結婚して下さい‼*。✧
第八話∬体調不良と卒業式と発覚
先輩におねだりされて
泊まった日から
三ヶ月が経ち、明日は
いよいよ卒業式だ。
寂しくなるなぁと
考えつつ、
最近の先輩の体調は
よくなかった。
『先輩、明日
卒業式ですけど
体調の方は
どうですか?』
俺の方をチラッとだけみて
はぐらかす様に
口先だけで
「大丈夫だ」とだけ
言って話さなくなった。
『何か隠して
ないですか?』
ビクッと肩が跳ねたのを
俺は見逃さなかった。
やっぱり、何か隠してる。
『俺には
言えないことですか?』
浮気……だろうか?
いや、先輩は
浮気なんてしない。
じゃぁ、何だろうか……
あっ、別れ話とかか?
もしそうだったら
悲しいし辛いけど
別れてあげよう。
一人悶々と
考えていると
先輩が俺の
制服の裾を引っ張った。
『あのさ悠真』
話す気に
なったのだろうか?
『はい』
とりあえず、
先輩の話を聞こう。
今居るのは、
昼休みの屋上で
幸いなことに誰もいない。
『妊娠したって
言ったら信じるか』
はい? 妊娠!?
『どういう
ことですか……』
落ち着け落ち着け。
深呼吸をして、
聞き返した。
『だから、俺が
妊娠したんだよ!!』
泣きそうになりながら
先輩は叫んだ。
ちょっと待った、
先輩が妊娠?
俺たちは男同士だし
言い方は下品だが
今までだって、
先輩の中に
出したことなんて
数え切れないほどある。
もしも、本当に
先輩が妊娠したのなら
可能性は最後に泊まった
あの日しか有り得ない。
『病院、
行ったんですか?』
そう聞くと
首を横に振った。
『架凜さんにアレ
買って来て
貰ったんですか?』
病院に
行ってないとすれば
確かめる方法は
一つしないだろう。
今度は首を縦に動かした。
『分かりました、
帰りに先輩ん家
寄りますね』
これは、
架凜さんに
殴られる覚悟は
しとかなきゃ
いけないな。
俺たちは弁当を
食べ終わり、屋上を出た。
『分かった』
それだけ言うと、
先輩はゆったりでは
あるが先に階段を
降りて行った。
明日の卒業式は
大丈夫だろうか?
心配だ……
**翌日**
卒業式はなんとか
乗り越え、
高校生活最後の
担任の話も
無事聞き終え
帰りには仲のよかった
数人で写真も撮っていた。
『悠真、帰ろう』
撮り終わったらしい
先輩が俺の方へ来た。
『いいんですか?』
俺が先輩の友人たちを
指差すと「いいんだよ」と
ぶっきらぼうに言った。
『高校最後の
悠真と一緒に
帰れる日なんだから
いいだろう……』
恋人にこんな
可愛いことを
言われて
断れる男が居るなら
会ってみたいもんだ。
『そうですね、
一緒に帰りましょう』
段差や
階段を気をつけながら
先輩と手を繋いで
校門を出て学校から
少し離れた場所で
待機している架凜さんの
車に向かった。
「卒業おめでとう」
二人で後ろに座ると
振り向いた架凜さんが
先輩に言った。
『ありがとう』
照れ臭そうに答えて
俯いてしまったが
耳は真っ赤だった。
「制服のままで
悪いんだけど
病院に行くわよ」
そう、何故
架凜さんがわざわざ
車で待って
居たかというと
先輩を病院に
連れて行くためだ。
『は? 聞いてねぇよ』
言ってなかったからな。
「だってあんた、
病院に行くなんて
言ったら絶対に
拒否るでしょうが」
流石母親、
息子の性格を
ちゃんと理解してる。
病院に着く間、
先輩はムスッとしていた。
学校から車を走らせ
二時間程して昨日
予約した病院に着いた。
入口に近い
駐車場に車を停め、
三人で受付へ向かった。
「十七番診察室前で
お待ち下さい」
待つこと三十分、
「安海尚斗さん」と
やっと呼ばれた。
「今日は
どうされましまか」
医者の常套句だよな。
此処最近の
症状を説明して
検査することになったから
架凜さんと二人で
診察室の外で待つ。
結果から言えば
先輩は妊娠してた。
そういう体の造りらしい。
今は来た時と
同様架凜さんの
運転する車で
帰る途中だ。
『先輩は
どうしたいですか?』
妊娠二ヶ月目と言われた。
出産は秋と冬の間らしい。
大学もあるし、
リスクも大きいから
おろすなら
早めの方が
いいとも言われた。
『産みたい』
先輩は、
運転してる
架凜さんに話かける。
「私は、尚斗が
産みたいなら
いいと思うわ
けど、悠真君の
両親にも話さなきゃ
ならないでしょう」
だよな、俺たちは
どう足掻いても
未成年の子供だ。
『そうですね
このまま、
家に行って下さい』
先伸ばしに
出来ることじゃない。
「わかったわ」
家に着き、
先輩を支えながら
玄関を開けた。
『ただいま』
母さんが
来るのがわかった。
「お帰り、
あら、いらっしゃい」
後ろに居る
先輩にも声をかけた。
『お邪魔します。
あ、母さん』
車を停めた
架凜さんが
開けっ放しの
玄関から入って来た。
泊まった日から
三ヶ月が経ち、明日は
いよいよ卒業式だ。
寂しくなるなぁと
考えつつ、
最近の先輩の体調は
よくなかった。
『先輩、明日
卒業式ですけど
体調の方は
どうですか?』
俺の方をチラッとだけみて
はぐらかす様に
口先だけで
「大丈夫だ」とだけ
言って話さなくなった。
『何か隠して
ないですか?』
ビクッと肩が跳ねたのを
俺は見逃さなかった。
やっぱり、何か隠してる。
『俺には
言えないことですか?』
浮気……だろうか?
いや、先輩は
浮気なんてしない。
じゃぁ、何だろうか……
あっ、別れ話とかか?
もしそうだったら
悲しいし辛いけど
別れてあげよう。
一人悶々と
考えていると
先輩が俺の
制服の裾を引っ張った。
『あのさ悠真』
話す気に
なったのだろうか?
『はい』
とりあえず、
先輩の話を聞こう。
今居るのは、
昼休みの屋上で
幸いなことに誰もいない。
『妊娠したって
言ったら信じるか』
はい? 妊娠!?
『どういう
ことですか……』
落ち着け落ち着け。
深呼吸をして、
聞き返した。
『だから、俺が
妊娠したんだよ!!』
泣きそうになりながら
先輩は叫んだ。
ちょっと待った、
先輩が妊娠?
俺たちは男同士だし
言い方は下品だが
今までだって、
先輩の中に
出したことなんて
数え切れないほどある。
もしも、本当に
先輩が妊娠したのなら
可能性は最後に泊まった
あの日しか有り得ない。
『病院、
行ったんですか?』
そう聞くと
首を横に振った。
『架凜さんにアレ
買って来て
貰ったんですか?』
病院に
行ってないとすれば
確かめる方法は
一つしないだろう。
今度は首を縦に動かした。
『分かりました、
帰りに先輩ん家
寄りますね』
これは、
架凜さんに
殴られる覚悟は
しとかなきゃ
いけないな。
俺たちは弁当を
食べ終わり、屋上を出た。
『分かった』
それだけ言うと、
先輩はゆったりでは
あるが先に階段を
降りて行った。
明日の卒業式は
大丈夫だろうか?
心配だ……
**翌日**
卒業式はなんとか
乗り越え、
高校生活最後の
担任の話も
無事聞き終え
帰りには仲のよかった
数人で写真も撮っていた。
『悠真、帰ろう』
撮り終わったらしい
先輩が俺の方へ来た。
『いいんですか?』
俺が先輩の友人たちを
指差すと「いいんだよ」と
ぶっきらぼうに言った。
『高校最後の
悠真と一緒に
帰れる日なんだから
いいだろう……』
恋人にこんな
可愛いことを
言われて
断れる男が居るなら
会ってみたいもんだ。
『そうですね、
一緒に帰りましょう』
段差や
階段を気をつけながら
先輩と手を繋いで
校門を出て学校から
少し離れた場所で
待機している架凜さんの
車に向かった。
「卒業おめでとう」
二人で後ろに座ると
振り向いた架凜さんが
先輩に言った。
『ありがとう』
照れ臭そうに答えて
俯いてしまったが
耳は真っ赤だった。
「制服のままで
悪いんだけど
病院に行くわよ」
そう、何故
架凜さんがわざわざ
車で待って
居たかというと
先輩を病院に
連れて行くためだ。
『は? 聞いてねぇよ』
言ってなかったからな。
「だってあんた、
病院に行くなんて
言ったら絶対に
拒否るでしょうが」
流石母親、
息子の性格を
ちゃんと理解してる。
病院に着く間、
先輩はムスッとしていた。
学校から車を走らせ
二時間程して昨日
予約した病院に着いた。
入口に近い
駐車場に車を停め、
三人で受付へ向かった。
「十七番診察室前で
お待ち下さい」
待つこと三十分、
「安海尚斗さん」と
やっと呼ばれた。
「今日は
どうされましまか」
医者の常套句だよな。
此処最近の
症状を説明して
検査することになったから
架凜さんと二人で
診察室の外で待つ。
結果から言えば
先輩は妊娠してた。
そういう体の造りらしい。
今は来た時と
同様架凜さんの
運転する車で
帰る途中だ。
『先輩は
どうしたいですか?』
妊娠二ヶ月目と言われた。
出産は秋と冬の間らしい。
大学もあるし、
リスクも大きいから
おろすなら
早めの方が
いいとも言われた。
『産みたい』
先輩は、
運転してる
架凜さんに話かける。
「私は、尚斗が
産みたいなら
いいと思うわ
けど、悠真君の
両親にも話さなきゃ
ならないでしょう」
だよな、俺たちは
どう足掻いても
未成年の子供だ。
『そうですね
このまま、
家に行って下さい』
先伸ばしに
出来ることじゃない。
「わかったわ」
家に着き、
先輩を支えながら
玄関を開けた。
『ただいま』
母さんが
来るのがわかった。
「お帰り、
あら、いらっしゃい」
後ろに居る
先輩にも声をかけた。
『お邪魔します。
あ、母さん』
車を停めた
架凜さんが
開けっ放しの
玄関から入って来た。