どっちかなんて選べない!~ヤンキーくんと王子様~
幼なじみは元ヤン王子
「おかえり、明音。…随分、遅かったね?」
「…ええと、これは」
私は今、玄関に土下座させれている。
「今日は真っ直ぐ帰るって朝言ってたの、明音だよね?なのに、普通に部活してきた俺より遅いってどういうことかな?」
ニコニコしている幼なじみ―七瀬コウ。
超イケメンのコウは学校では王子様なんて呼ばれていて、その笑顔に倒れる女の子もいるらしい。
しかしこの笑顔は…最高に怒っているときの笑顔だ。
「すみませんでした!」
頭を下げ、コウに一生懸命謝る。
ああ、玄関の床が冷たくて気持ちいい。