ドロップアウト
家に着いた頃にはもう空が明るくなりつつあった。

「何処行ってたの?…また停学になったのね。」

優しく言ってくるお袋に俺はぶっきらぼうに答える。

「関係ねぇだろ。」

「そんな言い方はないだろ。」

そう言ってきたのは再婚相手のオッサン。

俺は冷たく答える。

「アンタはもっと関係ねぇよ。」

「仁志、何でそんなこと言うの…。」

悲しげな声でお袋が言った。

その言葉を無視して俺は部屋に入り、布団に寝転がった。

ドアをノックする音が部屋に響いた。

「ちょっといいか。」

オッサンの声だ。

「別に。」

そう答えるとオッサンが部屋に入ってきた。

今日は会社が休みらしい。

「何か用?」

そう聞くとオッサンは微笑み「まぁな。」と言った。

「何?」

そう言った瞬間、オッサンが胸倉を掴み腹を力いっぱいに殴ってきた。

「ッ…何すんだよ…。」

「なめんじゃねぇぞ、クソ餓鬼がッ!」

と俺の髪をわし掴みにし、耳元で囁いた。

これがオッサンの正体。
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