ドロップアウト
龍ちゃんのお袋さんが再婚したが苗字はかわらなかった。

龍ちゃんが高校生になり、また中学校がつまらない毎日に変わっていった。

龍ちゃんは高校に入って変わった。

変わったと言うより、昔に戻ったと言うのが正しい。

それはきっと山さんに出会ったからだ。

鋭かった目つきも和らいできた。

山さんといるときの龍ちゃんはとても優しい顔になっていた…。




「ヨネ」って呼ぶ龍ちゃんの声が大好きだった。

俺は龍ちゃんの傍にいるのが大好きだった。

失恋した時、何も言わずに朝まで傍にいてくれる、そんな龍ちゃんが大好きだった。

龍ちゃんのする事全てが格好よくて大好きだった。

イタズラした時にハニカム龍ちゃんの顔が大好きだった。

他の誰よりも俺達の事を考えてくれる龍ちゃんが大好きだった。

龍ちゃんの全てが大好きだった…。

そんな龍ちゃんの心をボロボロにした奴を俺は絶対に許さない。

龍ちゃんは俺にとって兄貴だから、兄貴の為ならなんだってするのに…龍ちゃんはやっぱ優しくて、俺を巻き込まない様にしてた…。

龍ちゃん…龍ちゃんは俺の事を弟だと思ってくれてた?
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