傷ついてもいい
部屋に入るなり、佳奈は、斎藤にキスをした。

斎藤は、少し驚いたように身を引いたが、すぐに抱きしめてくれた。


「怒ってないの?」

唇を離し、佳奈は、斎藤を見た。

「怒ってる」

斎藤は、佳奈を抱きしめたまま寝室に連れていく。

「じゃあ、なんで…」

「仕方ない。もう惚れちゃったから」

斎藤は、優しく笑いながら、佳奈をベッドに横たえた。

「私も…」

「ほんとに?」

「うん。惚れてるよ」

佳奈は、斎藤の首に腕を回し、キスをせがむ。

心の琴線が、少し、震えた。
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