傷ついてもいい
「今日、佳奈、凄く興奮してなかった?」

終わってから斎藤は、ニヤニヤしながら聞いてきた。

「ええ?そんなことないよ!」

佳奈は、恥ずかしくなり、タオルケットを頭からかぶる。

「いや、興奮してた!どれが良かった?教えろよ」

斎藤は、意地悪く佳奈のタオルケットを外す。

「もう!いつもと同じだよ」

佳奈が笑うと斎藤は、嬉しそうな顔をした。

「ちょっとだけ、心に近づけたのかな」

「え?」

佳奈は、斎藤を見る。

「今迄、抱いてても佳奈の気持ちがここにない気がしてたんだ」

「…」

「だから、今日は、嬉しかった」

「翔太くん…」

「結婚しよ」

佳奈は、うん、と頷いた。
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