傷ついてもいい
「俊!由奈ちゃん!おめでとう!」
直己は、まっすぐに二人のところに近づいていった。

そして、俊に抱きついて喜びを表した。

「ありがとう、直己」

二人は、嬉しそうに笑っている。

周りの友人達が直己を見てなにやら噂話を始める。

俊の友人であろう大学の仲間は、アイツ辞めたんだろ、などと言い、由奈の友人達は、かっこいいね、などと話している。


佳奈はそれを聞きながら、目立たないように奥のテーブルに着いた。

若さとは残酷だ、と思いながら。

< 148 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop