傷ついてもいい
そのまま二人で何度も愛しあった。

最後には、二人とも疲れ果てて、いつの間にか眠ってしまった。



夜明け前。


目を覚ました佳奈は、ベッドからそっと抜け出し、パジャマを羽織ってベランダに出た。

「さむっ…」

もうすっかり秋だなあ…

空には、やっぱり月が薄っすらと浮かんでいて、佳奈は、昨夜からのことを全部見られていたような気持ちになる。

ベッドでは、まだ直己が静かに寝息をたてていて、佳奈は、それを幻のように感じていた。


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