傷ついてもいい
「ねえ、ねえ、ミカちゃんち今日とまってもいい?」

「えー、直己、またあ?まあいいけどお」

同級生のミカちゃんとかいうコは、まんざらでもない顔をしている。

改めて見ると直己は、結構ないい男だった。

長身に長い手足。茶色がかった少し長めの髪はサラサラと風になびいて。色素の薄い瞳の色と調和していて美しかった。


「だあ!もう、わかった!ちょっと来て!」

佳奈は、直己の腕を掴んだ。

なんだか今にも飛んで行きそうな風船を掴んだ気分だった。
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