傷ついてもいい
次の土曜日。

佳奈は斎藤とドライブにでかけた。

気持ちよく晴れた空と雲を眺めながら、高速をグングン飛ばしていく。

斎藤は、白いシャツにカーキの綿パンツが長身によく似合っていた。

直己と違って肩も胸もちゃんと筋肉がついた体格に佳奈は少しドキドキする。

直己は、ひょろいもんなあ。もっとちゃんと食べるように言わないとな。



「お昼、何か食べたいものあるかな?」

斎藤は、笑顔をチラリとこちらに向ける。

「なんでもいいですよ。私、好き嫌いないから」

「そっか、じゃあイタリアンとかどう?」

イタリアン、と聞いて少しどきりとした。

どうしても直己を、思い出してしまう。

「うん、いいですよ」

佳奈は、笑顔でこたえた。
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