傷ついてもいい
車に乗り込んで少し話した後で、斎藤が佳奈のほうに身体を預けてきた。

佳奈が、静かに目をとじると、唇が重なった。

斎藤の乾いた唇は次第に熱を帯び、佳奈の中に舌が入ってきた。

「…んっ」

佳奈も段々と気持ちが高まってくる。

斎藤のシャツをギュッと掴んだ。

しばらくキスをして、斎藤は、名残惜しそうに佳奈から離れた。

「なんか、ごめん。俺、久しぶりだから下手くそだよね」


斎藤は、照れて笑っている。

「あはは、私も、久しぶりだよ」

佳奈は、斎藤の照れた顔が可愛くて笑う。

佳奈は乱れた髪を治しながら、久しぶりの幸せを噛みしめていた。



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