傷ついてもいい
次の土曜日の夜。直己と二人でお祝い件お別れパーティーをした。

メニューは、ビーフシチューとサラダ。

最近のシチュールウは良くできていて、ほぼ初心者の佳奈でも、なかなかの味になった。

「うまい!佳奈さん、料理うまいじゃん!斎藤さんにも作ってあげなよ」

「ほんとにい?」

佳奈もひとくち食べてみる。

「うん!イケる!」

美味しいね、と二人で向かいあってゆっくり食事をした。

二ヶ月間暮らして、こうやってゆっくり一緒に夕食を採るのは、初めてだった。

「なんかさあ、居心地良くて、つい長く住んじゃったな」

直己がしみじみ言った。

「そう?この部屋住み心地いい?」

「違うよ。佳奈さんの側が、ね」

佳奈は、顔が赤くなるのをおさえられなかった。

「バカ、いい加減なこと言わないの」

「いい加減じゃないよ…」

直己は、じっと佳奈を見る。

佳奈は、ドキドキして、口から心臓がでそうだった。

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