傷ついてもいい
斎藤に何か作ってあげようと思い立ち、佳奈は買い物に出た。

直己の好きだった銘柄のビールの前で立ち止まる。

1缶だけ手に取ってカゴに入れ、斎藤の好きな銘柄のビールを2缶カゴに入れた。

死んだわけじゃあるまいし。

佳奈は、おかしくなってきた。

直己は今もちゃんと生きているし、まだ一応大学生なんだし、こんな風にしんみりすることはないよね。

また、会えるんだから。

少し気持ちが現実に戻り始める。

佳奈は、斎藤の好みそうなお酒の肴を探して、カゴに入れた。
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