傷ついてもいい
夕方。

インターフォンが鳴った。

斎藤がこの部屋に来るのは初めてで、佳奈は、少し緊張する。

「おかえりなさい」

笑顔でドアを開けた。

「ただいま」

斎藤は、明太子らしき袋をぶら下げて、笑顔で立っていた。

「女の子の部屋って感じだなあ」

斎藤はソファでくつろぎながら、キョロキョロとまわりを見回す。

「そうかな」

直己の物はもうないはずなのに、佳奈は一緒にキョロキョロしてしまった。


「こっち来いよ」

佳奈がお茶をいれていると、斎藤は、いつもより少し強引に言った。

「うん」

強く想われている感じが、今の佳奈には心地良かった。

斎藤のとなりに座ると、いきなりキスをされる。

「んっ…」

斎藤の舌が深く佳奈の中に入ってきた。それはそのまま佳奈の首筋を這い、耳朶を柔らかく噛む。

「あ…や…」

少しずつ理性の皮を剥がされるように佳奈は斎藤の愛撫に夢中になっていった。

下半身は、もうしっとりと濡れはじめている。

斎藤が吐息のような声で「いい?」と聞いてきた。



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