幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜
何も言えなくなった俺に、厳しい現実を告げる彼女の言葉が、更に追い打ちをかける。



「でも、いつも迷っちゃうの。子供を言い訳にして、休んだり、早退したりしているうち、クビにされちゃったこと、何度もあるから。」

「.......。」

「一人で育ててるんだから、仕方ないけど。」

「.......。」



言ってしまったら楽になったのか、彼女は笑顔を見せた。

俺にとって、その「強さ」は衝撃だった。

それこそ、胸を撃たれたような気になるくらい。



遊ぶことばかり考えてる自分が、急に情けなくなった。

何でもいいから、彼女を助けられないかな.......

そう思ったら、自分でも驚くほど、スラスラと言葉が出て来た。




「.....あのさ、とりあえず、店長に言っておいでよ。今日の午後は、一人くらい足らなくても、俺が何とかするから。」

「え?でも.....。」

「それから、明日、入ってるよね?」

「はい.....。」

「もし、子供の体調が良くならないようなら言って。俺、代わりに入るから。」

「でも、それじゃ.....。」

「困った時は言ってよ。遠慮しなくていいからさ。」

「.......。」

「後で携帯の番号とメアド教えるね。」

「.....うん、ありがとう。」
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