幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜

いっそ会いに行ってしまおう。

そう思って、心優の家の近くまで車を走らせたこともあった。

でも、いきなり行って嫌われたくないから、近くまで行って、電話をかけようとしたら、偶然、心優を見かけた。



名前を呼びたくて、触れたくて、抱きしめたくて.......

苦しさで胸が締め付けられる。

だけど、心優は一人じゃなくて、声をかけることができない。



小さな子供と手を繋ぎ、楽しそうに歩く心優。

その少し後ろを歩いているのは、何度か目にしたことがある、恐らく心優の弟。

そして.......稜。



稜の存在を認識した途端、心拍数が急上昇する。

俺には今が心優にとってどういう場面なのか、どうしてこの組み合わせなのか、見当もつかない。

なのに、焦る気持ちを抑えることができない。

稜を信じているはずが、瞬時に膨らんだ不安に押し潰されそうになる。