あまのじゃくすぎる君はむしろ素直でわかりやすい
ふう、と机を置いて一息。
左側は窓側で、初夏の青々とした風景が広がる。
さてさて、隣の席はどなたかな?と右側を向くと。
頬杖を突きながら、私の方を向いていた彼と、バッチリ目が合った。
小柄な体型、さらっとした髪の毛、整っているお顔。
なるほど、隣の席は今年初めて同じクラスになった。
「丹羽くん!しばらくよろしく。」
丹羽 希一(にわ きいち)くんだ。
私はそう、にこっと微笑みながら挨拶をした。
そんな私に、丹羽くんは一瞬、気難しそうな顔をしたかと思えば。
ふわっと優しく、嬉しそうに微笑んだのだ。
「なんだ、戸塚の隣かよ。」
…という、台詞と共に。