あまのじゃくすぎる君はむしろ素直でわかりやすい


ふう、と机を置いて一息。
左側は窓側で、初夏の青々とした風景が広がる。

さてさて、隣の席はどなたかな?と右側を向くと。


頬杖を突きながら、私の方を向いていた彼と、バッチリ目が合った。


小柄な体型、さらっとした髪の毛、整っているお顔。
なるほど、隣の席は今年初めて同じクラスになった。


「丹羽くん!しばらくよろしく。」

丹羽 希一(にわ きいち)くんだ。


私はそう、にこっと微笑みながら挨拶をした。


そんな私に、丹羽くんは一瞬、気難しそうな顔をしたかと思えば。


ふわっと優しく、嬉しそうに微笑んだのだ。



「なんだ、戸塚の隣かよ。」

…という、台詞と共に。


< 2 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop