あまのじゃくすぎる君はむしろ素直でわかりやすい
焦るあまのじゃく
1週間。
丹羽くんの隣になって、1週間たった。
この期間、隣にいて気づいたことがある。
今日の歴史の時間は、自習で丹羽くんを観察するには、ちょうどいい。
「なー、丹羽。赤ペン貸してくれ。」
「おお、これ使っていいぞ。」
前の席の前谷くんに赤ペンを貸す丹羽くん。
「丹羽ちゃん、今日も可愛いねえ。
美少年だね!」
「はいはい、どうも、望月さん。」
フッと笑って、さらっと受け流す丹羽くん。
「丹羽くーん、歴史得意?
教えてほしいんだけど。」
「こんな簡単なプリントもできないなんて、やっぱり戸塚はバカなんだね。」
ぷぷ、と笑いながら私をバカにする丹羽くん。
…ほんとに同一人物でしょうか。
私にだけ冷たくない?
意地悪じゃない?