あまのじゃくすぎる君はむしろ素直でわかりやすい
私もなんだか恥ずかしくなっちゃって、無言に。
そんな困った空気になったとき。
「丹羽、赤ペンどうも。」
と、爽やかな声で私たちの沈黙を破ったのは、丹羽くんの前の席の前谷。
野球部の前谷くんは、太陽みたいな眩しい笑顔で振り向いた。
…そして、一瞬で目が点になる前谷くん。
はっとする。
一番後ろの席の2人が、1つの席でって…。
「ええ!お前ら付き合って「ないから。」
前谷くんが言い終わる前に、私が反応する前に。
丹羽くんが素早く訂正した。
それによって、胸がちくっとしたこの感覚の意味は。
…わからない。