もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「ジュン君……少しいい?」
そこには、私よりも背の高い女が立っていた。
一重の目がコンプレックスなのか、アイラインとマスカラで目力をアピールしてる。
髪の毛は胸くらいまでのロングヘアーをきっちりと巻き、ここは海ですけど?と、突っ込みたくなるような服装。
私だって制服だから、声にすることはできないけど……
「何?」
明らかにジュンのためにお洒落をしている感、満載の女に、ジュンはそっけない声を出す。
その声に瞳をウルウルさせてるのは演技なんだろうな。
瑠伊がよく使う手口だ。
「彼女さん、紹介して」
私の方は一度も見ないまま、女はそんなことを口にした。