もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~

この女に会ったのは、勿論今日が初めてだし、“何が”って確証めいたものは何ひとつないけど、好きじゃないことはわかる。



何がかわからないから、まだ“好きじゃない”って思っていて、確証が持てた段階で“嫌い”になるんだと思う。



「いつから付き合ってるの?ジュン君はフリーだって聞いてたけど?」



私の質問には完璧スルーの女は、今にもジュンに掴み掛かりそうな勢い。



「最近」


と、だけ答えたジュンは見ず知らずの私が見たって、面倒くさそうな態度が一目瞭然。



それでも、


「最近って?」


「どこで知り合ったの?」


と、次々に質問をぶつける女は、空気が読めないのか、気が強いのか……



「繁華街わかる?あそこの地下でナンパされたの」



答えを用意していなかったのか、答えるのが面倒くさいのか、黙り込むジュンに助け船を出した。



すると、


「はっ?」


「えっ?ジュン君が?」



と、2人同時に驚いた反応をした。



ジュンは驚いたというよりは軽くキレ気味だけど。

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