もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「最初は断ったんだけど、どうしてもって言うから今はお試し期間」
2人の反応には気付かない振りをして、嘘ばかりを吐く私に女の顔は引きつり、ジュンの眉間には皺が寄る。
この女に私はモテるのよってアピールしたいわけではなく、ジュンが私に夢中だということを印象付けたかった。
振られても、すがるような男に魅力は感じない。
期間限定でお願いしてまで付き合ってもらったなんて、ちょっと幻滅すると思ったから。
でも、それは私の感覚で、そうじゃない人もいるのだと後になってから知ることになる。
私の発言が、この女を本気にさせたなんて、この時は知る余地もない。
「そ、そうなんだ。で?期間はいつまで?」
「一応、1ヶ月。」
「わかった。ジュン君、また連絡するわ」
最後まで私のほうを一度も見なかった女は、颯爽と消えていった。
その態度が腑に落ちなかったけれど、ジュンのことは諦めてくれたんだと思い込んでいた。
これで、私の役目は果たした。
あとは今にも音が鳴りそうなペコペコなお腹を満たすだけ。