もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「ち、ちょっと待ってよ!!私にわかるように話して」
先を行かれたジュンに小走りで追い付き、隣に並ぶとジュンの顔にはまだ笑みが浮かんでいる。
「腹減ってるみたいだから、歩きながら話す」
「…………」
本心から私を気遣っての言葉なのか、お腹を唸らせた私への当て付けなのか、わからない私は言葉が出てこない。
「何か勘違いしてるみたいだけど、俺は約束は守る。で、肉ってのに意味が分からなかったのは、肉がないから」
「はっ?」
「いいから最後まで聞けよ」
聞くよ。
最後までというよりは、納得するまで聞くつもりだけど……
ただ声が出ただけだ。
それだけのことに、いちいち文句を言うなんて器の小さい男。
「バーベキューって言っても、ここのバーベキューに肉はない」
「はっ?」
思わず出てしまった声に、自分自身も驚き、口に手を当てる。