もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「送って」
「それはいいけど、朝まで居なくていいのか?」
「家に帰るわけじゃない。だけど、家の近くに行きたい。お腹もすいたし」
「わかった」
本当はお腹がすいているかなんてわからない。
ただ、早くシャワーを浴びたかっただけ。
「寒いから、これ着てけ」
そう言って、頭に被せられたパーカーを指で摘むように持った。
こんな汚い場所にある物なんて着たくないんだけどな……
「ほら、さっさと行くぞ」
でも、バイクに乗った途端にそんなことは言っていられなくなった。