もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
私の住む街は冬になると雪が積もるため、屋上に行けるのは6月くらいから。
春になり、雪が溶けたとしても、寒くて外でご飯なんて食べてられない。
「一番乗りだし!!」
メイク直しが終わったのか、鏡を鞄に突っ込んだ瑠伊は小走りでフェンスへと駆け寄る。
「まだ、授業中だし当たり前じゃない?」
「まぁ~ね。でも、気持ちいい。やっといい季節がやってきたよ」
パンツが見えていることなど、まったく気にしてない瑠伊はコンクリートの床に両手、両足を広げて寝転がる。
私は、側に腰を下ろして
「お先」
と言いながら、菓子パンを頬張った。