もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
ジュンは車の間をぬって、左車線へと移動し、コンビニの駐車場で止まってくれた。
「何かあったのか?」
バイクのエンジンを切るなり、心配そうな顔をして後ろに振り返る。
「寒いの」
「はっ?」
「寒くて耐えられないから、そのパーカー貸して」
私の言葉に呆れた様子のジュンはゆっくりとバイクから降りた。
そりゃそうだ。
散々、言われたのに……
言うことを聞かなかった私。
ジュンは仕方なく自分でパーカーを羽織った。
それなのに……
こんなすぐに意見を覆す私って……
「アホか」
そう。
アホだ。
「だから、寒いって言ったろ?この辺は特に海風が強いんだって」
「はい」
「脱ぐから手、離してくれない?」