もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
私が体を離すと、ジュンはすぐにバイクから降り、私にも降りろと目で訴えてくる。
「ここどこ?」
「ファミレスの駐車場」
「それは見ればわかるけど。なんでここ?」
24時間営業のファミレスはチェーン店だから、知っているけど、この場所は知らない。
「腹減ったって言ってたから、海から一番近くのファミレス。この時間に飯食えるのはここしか知らねぇから」
確かに、お腹はすいていると言ったし、今になるとお腹がすいている感覚がわかってきた。
けど、私が今一番求めてるのは、お腹を満たすことじゃない。
「いつまで跨ってんだよ?行くぞ」
「行かない」
「はっ?」
「バイク出して」
私の言葉にいきなり不機嫌になるジュン。
「お前が行きたい、ディナーができる店なんてこんな時間にあいてねぇよ」