もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~

シャワーを浴びたのに、スッキリとしない気分のままバスローブを羽織り、ジュンのいる部屋へと戻った。



勿論、化粧直しは完璧に済ませて。



「お待たせ」



ソファーに腰掛けているジュンは、余程苛ついているのか、視線だけをこちらに向け、返事はしてくれない。



そして、テーブルの上に置かれている灰皿にはタバコの吸い殻が……



数えられない。



この短時間で、どんだけ吸ってんだよ!!と心の中で突っ込みながら、私はベッドの上へと腰を下ろした。



「説明しろ」



「何を説明しろって言ってるの?」



どうして、ジュンがこんなに苛ついているのかわからない。



私の記憶では、ジュンを怒らせることも、苛つかせることもしたつもりはないから。



「喧嘩売ってんのか?!」



怒鳴り声と共に蹴り飛ばされたテーブル。



灰皿が傾いたせいで、白い灰が宙を舞う。



なんだか綺麗。


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