もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~


照明のせいか、灰とは思えないほど綺麗に舞った白い物体。



それなのに、


「さっさと説明しろよ!!」


と喚くジュン。



その声を聞いてると、こっちまでイライラしてきちゃう。



「大きな声出さないで。喧嘩売ってるつもりもないし、きちんと質問には答えるよ。何から説明すればいい?」



ため息混じりに声を出したのが悪かったのか、ジュンの苛つきは増長しているように感じる。



「なんで、ラブホなんかに来たんだよ!!」



怒鳴り声で耳がキーンとなりそう。



普通に会話は出来ないのかな……



「シャワー浴びて、休みたかったから。お腹もすいたし……ここなら、全部が一度に済むでしょ?ビジネスホテルとかじゃ、名前書いたり面倒くさいし」



「はっ?」



突然、キツネにつままれたような顔をするジュン。



「何?」



苦手な説明してるのに、その反応はなんなわけ?



「そんな理由か?」



「そうだけど?!まぁ、あとは……あそこ、寮だっけ?汚くて居たくなかった。体がベタベタしてるのに、あんな所でシャワー浴びれないと思ったのが、正直な気持ち。怒らないでよ?私には汚く感じちゃったの。そういう感覚って人それぞれでしょ?」

< 134 / 342 >

この作品をシェア

pagetop