もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「わかった」
と返事はしたものの、この間の一件は話したくない。
瑠伊はカッコいいならいいじゃん!!って言うに決まってるし、私の混乱した心情を説明するのは難しい。
この男と関わると、私のペースが乱れてしまう。
だから、なるべく乱されない準備をしたい。
そのために、瑠伊を1人にした。
こっちの話も、あっちの話も聞いていたら、絶対にペースが乱れる。
2人とも、人のことを考えて喋れるタイプではなさそうだから。
そんなことのために、私は自分のことしか考えられなくなっていた。
今日、過ごす相手を決めていないのに……
瑠伊を1人にしてしまった。
「じゃあ、今日は退散しまーす!!」
と、瑠伊が突然大きな声を出すから、耳が痛い。
「じゃあ、明日ね」
瑠伊の変化になんて、何も気付かずに私は手を振った。
「うん!!ばいばい。お兄さんもばいばい」
瑠伊はちゃっかりと、私達2人に挨拶をして去っていく。
さて、次はこの腕を離してもらわなくちゃ。