もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
店内は待ち合わせ待ちの人で混雑している。
これはいつものこと。
「座れねぇんじゃないか?」
「大丈夫」
このカフェで長居する人はほとんどいない。
約束の時間になればみんな席を立って行く。
だから、店内が満席だったとしても、オーダーをしているうちに、いつの間にか座れる場所ができている。
私は、説明をするのが面倒くさくて、入り口でキョロキョロとするジュンを置き去りにしたまま、カウンターへと近づいた。
「アイスミルクティーと……ねぇ!!飲み物何にする?」
と大きな声を出しながら振り向くと、ジュンは意外と至近距離にいて驚いた。
「の、飲み物は?」
「アイスコーヒー」