もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
悔しくて……
腹立たしくて……
“怒り”って感情を通り越して怒鳴る気さえ失せた。
口答えする気も、嫌だと拒否する気さえも、今の私にはない。
「好きにして」
「どういう意味だ?」
「なんでもいいから、勝手に決めて」
早く立ち去りたい。
「金額か?」
「それも含めて全部。何でも言うとおりにする」
「わかった。じゃあ、連絡するから携帯番号、」
ジュンが言葉を最後まで言い終える前に、私はジュンの方へと携帯を放り投げた。
「詳しいことは連絡する。俺の連絡先も入れておいたから。じゃあ」
私の携帯と自分の携帯をいじり終えると、ジュンはそそくさとカフェを後にした。