もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「ねぇ、ねぇ、俺と遊ぼ。ドタキャンされて独りぼっちなの」
ナンパか……
もしくは、新手のキャッチ?
どちらにしろ、いかにもという感じが私の口を軽くしていた。
「遊ぶって何?私は、誰かと遊んだことなんてないんだけど。遊びでやりたいってこと?」
「遊んだことないって……君、面白いこと言うね。しかも、そんなセリフを堂々と!!もうちょっとオブラートに包めないかな?」
オブラートに包む?
よくわからないけど、本当のことだし。
誰かと遊ぼうと言って遊んだことなんて一度もない。
今だって放課後、瑠伊と一緒には居るけれど“遊ぼう”だなんて、言われたことも言ったこともない。
私達が一緒にいるのには、バイトだったり、瑠伊の付き合いだったり、何かしら目的がある。
だから、遊ぶってことがどんなことを指すのかピンとこない。
「あっ、馬鹿にしてるとかじゃないよ!!その発言でますます遊びたくなった感じぃ」
黙った私を怒ってると解釈した男は再び喋り出した。
「遊ぶってのはぁ、ショッピングしたりぃ、ご飯食べたりぃ」
「欲しいものなんてないし、お腹もすいてない」
「うっ……ん。じゃあ、」