もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~


「何?」



「名前は?何ちゃん?」



この男の起伏の変化にはついていけない。



何が嬉しかったのか、突然笑顔でテーブルに身を乗り出してきた。



「ねぇ、名前は?何ちゃん?」



「人に名前を聞くときは、自分から名乗ったら?」



「それもそうだね。俺は龍平。リュウって呼んでぇ」



「リュウね……わかった」



「で、君は?」



「私は、」



何でかわからないけど、言ってしまった。



本名を名乗りたくなかったわけではないのに、つい口にしていた。



「ジュンレイ」


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