もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
一瞬、ドアのほうに視線を向けたリュウの目付きになんだか親近感がわく。
睨み付けるような、鋭い視線なんだけど、どこかホッとするような……
「リュウか?」
ドアが蹴られたことなんて、すっかりと忘れていた私の耳にドスのきいた声が届く。
「俺の名前はリュウちんよ」
マイクのまま、ふざけているけど大丈夫なの?
勢いよく登場した男は1人じゃないし、スーツを身に纏い、怖いオーラを醸し出している。
「てめぇ、ふざけやがって!!」
マジでヤバイんじゃないの?
完璧に巻き込まれそうな私は、携帯を手に取りとーちゃんの番号を押した。
携帯を背中に隠しながらの作業だから、自信はないけど……
とーちゃんに言われたようにした。