もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「ち、ちょっと待ってよ!!怒りたいのは私なんだけど?!」
「ジュンレイちゃん?何?」
テーブルを思い切り叩いて立ち上がった私に答えるために、リュウはやっとマイクを手放した。
「何でこんなことに巻き込まれなきゃいけないの?私はカラオケしに来ただけだし!!」
「そうなんだよね~俺も楽しみたいんだけどさ、邪魔が入ったみたいだからさぁ」
男達に動じてしないのか、本当の馬鹿なのか、リュウは落ち着いている。
そんなリュウと私が男達を無視して会話をしてるから、さらに怒りが増したみたい。
「おい。ごちゃごちゃ言ってんな!!」
と、お怒りのお叫びが……
それなのに、リュウは
「お兄さん達も、カラオケしちゃう?」
なんて、おちょくるようなことを言いだすし。
これは本当にまずいかもしれない。
それに、私にはこんな状況なのに落ち着いているジュンのほうが怖かった。