もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
髪の毛はずっと痛かったけど、とーちゃんの顔を見た瞬間、とーちゃんの声を聞いた瞬間、激痛へと変わった。
「痛い!!」
なんていう叫び声までが、自然と出てくる。
「離せや」
「山(ヤマ)さん?」
とーちゃんの顔を見た瞬間に、私の髪の毛を掴んでいた男の手から力が抜けた。
解放された私は真っすぐにとーちゃんの胸へと飛び込んだ。
「大丈夫か?遅くなって悪かった」
とーちゃんの声が優しくて、抱きしめられた腕の中で私は首を縦と横に振った。