もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
私は今、お姫様抱っこってやつをされている。
こんな思いが出来るなら、髪の毛くらいなくなっていいとは思えないけど、痛い思いくらいは我慢できるかな。
「下に車止めてある」
「うん」
「じゃあな、リュウ」
「お疲れっす!!」
えっ?
ちょっと待ってよ。
リュウはいいわけ?
私が助ける義理はないけど、とーちゃんは知り合いみたいだし。
いかつい男にボコボコにされるかも……
そんな心配をよそに、リュウはヒラヒラと顔の前で手を振っている。
よっぽど馬鹿なんだな……
まぁ、私は巻き込まれたわけだし、馬鹿な頭には痛い思いを少ししたほうがいいのかもしれない。