もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
この言葉に私は目を開けた。
「わかった。1人で帰れる」
「そうか。じゃあな」
とーちゃんは私のために駆け付けてくれたのに……
私は返事すらしないで、車から降りた。
そして、力一杯閉めたドア。
こんなことしたいわけじゃないけど、今日は一緒に居て欲しかった。
リュウとの関係を問いただして欲しかった。
たった、それだけの願いも叶わない。
それならせめて、あの音は聞きたくない。
とーちゃんが出ていったと嫌でも認識させられる、あの音だけは。