もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
そんな風に可愛く笑ったって、もう騙されない。
ついさっき、平常心を取り戻したばかりなんだから。
「中には入れないけど。あんただって何者かわからないし、危ないでしょ?」
「山さんからの命令でも?」
「はっ?」
なんで、とーちゃんが出てくるわけ?
「いいから中に入れてよ!!」
ドアを掴んだリュウは強引に部屋の中へと入ってきた。
「ち、ちょっと!!駄目だって言わなかった?!」
「すげぇ。やっぱり山さんだよな」
私の言葉なんて耳に入っていないのか、室内を徘徊し始めるリュウ。
「ベッドでかすぎ!!みんなで寝れない?」
みんなって、どこのみんなで寝るんだか……
やべぇとか広いぃとか言いながら、徘徊し続けて数分。
やっと満足したのか、私が座っていたソファーの横に腰をおろした。