もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「で、一体何なわけ?」
「あー山さんに頼まれた」
「何を?」
とーちゃんの名前が出るたびに、トクンと胸の辺りが音を鳴らす。
「今日はジュンレイちゃんと一緒に居てやってくれって。1人で居たくないだろうからって」
「何よそれ」
「溺愛だよなぁ~」
私は下唇を思い切り噛み締めた。
そこまでわかってるなら、どうして側に居てくれないの?
何時間かでも……
数分だっていい。
とーちゃんが側にいてくれればいいのに。