もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
リュウの分と自分の飲み物を冷蔵庫から取り出した私が、再びソファーに座るとリュウは口を開いた。
「俺の親父のとこで山さんが働いてる」
「そうなんだ」
「で、山さんの娘って、どんなのか興味があって調べさせた」
「私に?」
「いや、実際はジュンレイちゃんにって言うよりは……山さんに興味があるっていうか」
「ふーん」
「そっちの趣味なわけじゃないからね!!えっ?勘違いしてない?」
私は何も言っていないのに、急に焦りだしたリュウ。
とーちゃんとリュウの関係があまりにも普通過ぎて、話を聞く気が失せただけなのに、リュウには私の“ふーん”が勘違いに取れたらしい。
「別に思ってないから」
「ホント?!なら、いいんだけどさっ。いや、ほら。山さんって無口でクールじゃん。娘がいるなんて、想像出来なかったわけよ」
とーちゃんがクールね……
私はそんなふうに感じたことはないから、リュウの言っていることは、よくわからない。